日本で400年以上も前から造られていた球磨焼酎。その伝統的な製法は、今なお受け継がれています。
ここでは、明治から大正時代にかけての昔の焼酎作りの工程をご紹介しましょう。
-
洗い桶でていねいに米を洗い、一定の時間水に
ひたします。甑(こしき)の中にいれ、
外は硬めで中はふっくら軟らかい状態に蒸し上げ、
冷まします。 -
製麹(せいきく)とは、麹をつくる工程のことです。
蒸し米に種麹を加えて混ぜた後、布に包んで保温し、
麹菌をまんべんなく繁殖させます。 -
一次仕込では麹に水と酵母を加えて、酵母を大量に育成します。
仕込みがめの中で1週間ほど熟成させたものを
「一次もろみ」といいます。 -
一次もろみに、水と米焼酎の主原料となる蒸米を
加えて、アルコール発酵をすすめる工程を二次仕込
といいます。
櫂入れをおこない、原料の溶解と発酵をうながし、
熟成させます。 -
兜釜蒸留器は、大正時代頃まで使われていたもので、
熟成した二次もろみを下の釜に入れて加熱します。
上の兜釜に流した冷却水で、アルコールの蒸気を
冷やして液化させ、焼酎の原酒をとりだします。 -
蒸留したての原酒は、蒸留時の独特なにおいが
残っていますので、数か月貯蔵することで、焼酎のまろやかな風味や香りを引き出します。 -
熟成された焼酎は、今ではびんに詰めて出荷されますが、昔は、蔵でつくった焼酎を店先の焼酎がめから枡を使って量り売りされていました。